くりみがおか ゆうのブログ

女装子としての自分を表現する

ミッドナイトスワン

それぞれの 心の影が 生き様に


草彅剛さんがトランスジェンダーの役を務めた事で話題になっている映画「ミッドナイトスワン」を観てきた。


当初、映画を知らなかった。
知ったきっかけは、東京紅組やクリノス革命のメンバーのベッティーさんが出ると聞いたので、「この映画でベッティーを探せ」という軽い気持ちで観に行った。


主人公がトランスジェンダーという事で、その話に重きを置いているのかなと思って観ていた。


確かに、劇中に主人公や主人公が働いているショークラブの踊り子さん達に向けたセリフに、トランスや女装さんに向けた差別的と思われるセリフもあったように感じたけど、特別トランスジェンダーの事を取り上げた映画ではないなと感じた。


どちらかと言うと、主人公の凪沙(なぎさ)、凪沙が預かる事になった一果(いちか)、一果の同級生のりん、それぞれの心の影の部分というか、生き様を表現しているように思えた。


それぞれに抱えた影の部分とか、家族との関係性とか、色んな事が複雑に絡んでいて、じっくりと腰を落ち着かせて観る事が出来た。


酔っ払いが凪沙達に浴びせた罵声だったり、セクシャルマイノリティーに対する無理解さを示すセリフとか、本人は差別だと思っていない差別的な言葉も、確かにそういう言葉を発する人っているよなぁとは思った。


それよりも、凪沙の生き様、一果の心の動き、りんの心の中、それぞれが絶妙に表現されていて、目が潤んでしまった。


終盤で「何、その展開?」という、観ているぼくの気持ちを「裏切る」場面があったけど、観終えてしばらくは余韻で目線がスクリーンから離れなかった。
久しぶりに映画の世界に引き込まれた。


余談だけど、ベッティーさんの登場シーンを観て一言。


なんか、エキストラのはずなのにめっちゃ存在感があるように思えたのは気のせいだろうか。(;^_^A